認知症について　その11

認知症について　その11

9.まとめ「世界は進歩する」

長らくお伝えしてきた認知症についてのシリーズも、
今回が最終回となりました。
ここまで拙文をご精読してくださった皆様に感謝を
申し上げます。
述べてきたように認知症は厄介なもので、現在はまだ
治療というより、薬物による症状緩和レベルに
あります。私も含めてですが年々悪くなるご家族の
症状に胸塞がる時もあるでしょう。

ただ、世界は進歩し、変わっていきます。
認知症の治療薬開発は一層進んでいくことでしょう。
コグニサイズで述べたように、トレーニング時に取った
個人の脳や体に関するデータをビッグデータ化し、
その後の症状改善に繋げていく取り組みは
これから本格化していくと思います。
また、厚労省が旗振りしている「高齢者の就労支援
事業」は、志を持った若い事業者さんが実践段階に
進めておられ、一生涯、生き甲斐を持って過ごす
仕組みづくりは大いに期待できるものです。

最近はポイント社会になりました。
これまで考えもしなかったことですが、
歩いたらポイント、脳トレしたらポイント、
筋トレでもポイントと、活発に活動さえすれば
タダで生活の糧を得られる仕組みも整いつつ
あります。

これらは全て「高齢者のユートピア」を目指す
取り組みと自分は位置付けています。

老いは必ずしも悲嘆ばかりではありません。
「どのような社会に変わっていくのか、見届けたいな」
という気持ちを持つことが認知症予防の
第一歩なのかもしれませんね。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー 完　ー