認知症について その10
2024/05/28
認知症について その10
8.認知症の方への後見業務
認知症になっている方が現在700万人以上で、
障がいの方を加えると、後見を必要とする方は
現在の日本では1000万人と言われています。
その中で、実際この制度を利用されているのは
わずか25万人程度で、制度設計そのものの
見直し議論が起こっているのは当然とも言えます。
その一つの理由と言われているのが、民法で
規定されている、二つの後見業務、すなわち
財産管理と身上保護のいずれもが不十分であることに
問題があるとされています。
しかし考えてみれば弁護士さん等の専門職後見人に
介護の専門知識を必要とする身上保護は、
求める方が気の毒な話です。
今後のあり方としては、2026年の民法改正で、
今まで後見制度は一旦利用すると、大抵は一生
利用しないといけなかった制度問題解決のため、
有期的な後見人制度に切り替えし、経済的負担を
減らす上、身上保護にあたる後見業務を
整える方向が議論されています。
後見制度は、何よりご本人が、老後を穏やかに
過ごしていただくための制度で、ご家族等を
第一に考えている制度ではありません。
今後は、たくさんの市民後見人の活動により、
手を取ったり、優しい声掛けでご本人のことを
考えて行動する後見業務が求められています。